2011年05月13日
収録なのだ!

普段、ナレーターや声優が声を収録するときは、自分の声を確認するヘッドフォンが渡されます。
今回、最も違うのはそこです。映画館で目の見えない方が渡される小型FMラジオが、ヘッドフォン代わりです。スタジオで電波を飛ばして、自分の声をキャッチしながら録音するのです。
確かに、本番も同じように聞こえなければならないので、納得です。
私は3ロール目の出番でしたから、午後からちょこっと収録に向かえば良かったわけですが、全編にわたって出ている人を含めて、3ロール目はいやに人が多かったです。
みんな帰らずに見学しているんですよね。
否が応でも緊張が高まります。スタジオ暑いです、熱いです!
前のモニターの映像に合わせて、一斉に声を掛け合いで入れていきます。
私は、ちょっと言いよどんだところがあったんです。
そうしたら、すぐに目の見えない役者さんが、「sammyさんの台詞の☆×番、ちょっとよどみました?」とチェック。
気を入れなおして、もう一度。
今度は「先ほどより、声の高い人になりましたね。でもこの方が素敵なので、頂きます」
ものすごい耳が良いです。その人のような方が映画をご覧になるのだから、貴重なアドバイスです。
面白いです。
出番まで、様々な方のダメだしを聞いていたのですが、「ディレクターさんの気に入る声」と「商品になる声」は違います。
そこを本当に的確に指摘していた・・・。
年を重ねて良かったことは、そこがわかったことでしょうか(笑)
ちょっと運動不足だなと、自分の瞬発力もよーく分かった。
収録後、皆さんでお食事に行きました。
ディレクションを兼ねておられた視覚障がいのある女優さんは、
「ボランディアって人の役にたちたいっていう思いだと思うけれど、何かをやるっていう発動力が第一歩であって、それが一番大事なんじゃないかしら」とおっしゃっていました。
とにかく久しぶりにテンションが高く、精度の高い仕事を見せていただいた良い現場でした。
プロはプロの技でこたえる・・・当たり前ですけれど、大事なキーワードです。
6月のホール上映が待ち遠しいです。 » 続きを読む