2007年06月08日
出来上がる軌跡vol:74~見えたもの
(前vol:73続き)
「そこにある私がやったソレ読んで!」
(ものまね王座決定戦で、本人が後ろから歌って出てくるときのコロッケの気持ち?!)
出す声は、見事に裏返った。
身体から滝のように汗が噴出す・・・。
数年前まで、お声を掛けることすらためらわれるほどの先輩の原稿である。
恐れ多いにもほどがある。
恐る恐るブースの外にいる先輩の顔とエンジニアさんの顔を見る。
2人は何やら談笑・・・
(め、めっちゃ気になるー!!!)
しばらくすると、その先輩が、違う原稿を持って現れた。
「今度は、コレ読んで・・・」
短い原稿である。どうやら、ラジオCMっぽい。
ところで・・・
録音には、色々なやり方があって、例えばとにかく本人の声を先に録音し、後から様々な加工を施す方法。
最初からBGMや効果音が流れる中、それに乗ってセリフを言う方法などなど・・・。
フリートークの仕事が圧倒的に多いわけではなかったが、私は後者の方が乗りやすい。
遣り甲斐という意味では、想像力を試される前者も好き。
私は、その時の雰囲気から、前者のみであろうと勝手に判断していた。
ところが・・・
BGMは流れてくるわ、効果音はついているわでそうとう凝った感じの音がヘッドフォンから流れてくる。たちまち、私は笑顔で(汗はたっぷりかいているんだけれど・・・)読み終えた。
おずおずとスタジオから出てくると・・・
先輩「まずは、MAさん(エンジニア)の感想をきこか。」
(もう、心臓は破裂せんばかり。収録のときより倒れそう・・・・)
MA「僕、この道に入って○○ちゃん(先輩)にであった最初の収録を思い出してん」
「この人な、凄かった。ひっさびさにええ仕事できたと思ってん」
「君の場合、稚拙なんやけれど完成度は違うねんけれど、『第2の○○』の匂いがした」
「ただし。こういうチャンスがある意味を考えなアカンで。ほんま好きなんやってことは伝わったで」
私は、硬直しながら涙がでそうな気持ちで言葉を聞いた。
その後、先輩とうどんを食べたがのどごしがいいはずのそれもロクにノドを通らなかった。
先輩は「好き」を「結果にする」ということを教えてくれているのだと今も思う。
「下手の横好き」「好きこそものの上手なれ」という便利な言葉もあるが、好きならば一瞬一瞬で結果を出していけということを教えられる厳しく愛情ある一瞬だったのだと思う。
それから私は、先輩と同じ収録でいつかお仕事ができることを夢見て、走り出した。
「そこにある私がやったソレ読んで!」
(ものまね王座決定戦で、本人が後ろから歌って出てくるときのコロッケの気持ち?!)
出す声は、見事に裏返った。
身体から滝のように汗が噴出す・・・。
数年前まで、お声を掛けることすらためらわれるほどの先輩の原稿である。
恐れ多いにもほどがある。
恐る恐るブースの外にいる先輩の顔とエンジニアさんの顔を見る。
2人は何やら談笑・・・
(め、めっちゃ気になるー!!!)
しばらくすると、その先輩が、違う原稿を持って現れた。
「今度は、コレ読んで・・・」
短い原稿である。どうやら、ラジオCMっぽい。
ところで・・・
録音には、色々なやり方があって、例えばとにかく本人の声を先に録音し、後から様々な加工を施す方法。
最初からBGMや効果音が流れる中、それに乗ってセリフを言う方法などなど・・・。
フリートークの仕事が圧倒的に多いわけではなかったが、私は後者の方が乗りやすい。
遣り甲斐という意味では、想像力を試される前者も好き。
私は、その時の雰囲気から、前者のみであろうと勝手に判断していた。
ところが・・・
BGMは流れてくるわ、効果音はついているわでそうとう凝った感じの音がヘッドフォンから流れてくる。たちまち、私は笑顔で(汗はたっぷりかいているんだけれど・・・)読み終えた。
おずおずとスタジオから出てくると・・・
先輩「まずは、MAさん(エンジニア)の感想をきこか。」
(もう、心臓は破裂せんばかり。収録のときより倒れそう・・・・)
MA「僕、この道に入って○○ちゃん(先輩)にであった最初の収録を思い出してん」
「この人な、凄かった。ひっさびさにええ仕事できたと思ってん」
「君の場合、稚拙なんやけれど完成度は違うねんけれど、『第2の○○』の匂いがした」
「ただし。こういうチャンスがある意味を考えなアカンで。ほんま好きなんやってことは伝わったで」
私は、硬直しながら涙がでそうな気持ちで言葉を聞いた。
その後、先輩とうどんを食べたがのどごしがいいはずのそれもロクにノドを通らなかった。
先輩は「好き」を「結果にする」ということを教えてくれているのだと今も思う。
「下手の横好き」「好きこそものの上手なれ」という便利な言葉もあるが、好きならば一瞬一瞬で結果を出していけということを教えられる厳しく愛情ある一瞬だったのだと思う。
それから私は、先輩と同じ収録でいつかお仕事ができることを夢見て、走り出した。