2007年05月13日
出来上がる軌跡vol:73~意外な場
(前回vol:72より・・・)
私は、先輩にこう切り出した…。
「得意ジャンルが分からないんです」
すると…
先輩「そもそも、この仕事好きなのかな?」
この言葉は、相当のショックだった。
「本当にすきなのね!」は活き活きやっている自分に対する最大の賛辞と感じていたから、その逆の言葉は、例えば自分の技術面はもとよりこれまでのことを全て否定されるくらいインパクトがあった。
そして、その日から私は、自分の過去を振り返り、「どうしてこの仕事を続けているのか?」「どうして、始めたのか?」「なぜショックだったのか?」を悶々と考え続けた。
なかなか答えが見つけられずにいたある日・・・
その当の先輩が、お誘いをくれた。
それも、自分のナレーション現場を見せてくれるという。
私は、京都に向かった。
その日の仕事は3本。
テキパキと要求どおりに終えていく先輩・・・。
私は、ただただ口をあんぐりと開けて、その技術に魅入るばかり。
驚くような速さで、一発仕上がりで仕事を終えた先輩が、「はい、スタジオに入って!」
もう何年も仕事をやってきて、見学は数度はあった。
でも、お金のかかったスタジオを、先輩の顔で入れていただき、マイクの前に座るということは実は無かった。
ところで、ナレーション制作には、大まかにいって次のようなお金がかかる。
1スタジオ使用料
2技術加工料(ディレクターや技術屋さんの人件費も含め)
3著作権使用料
4ナレーターの技術料
その中で、スタジオ使用料は、結構な金額であるし、ましてやそれに電気を通して操作をしてくださる人件費まで言うと、よほどの限り厚かましくタダで使うことは皆無である。
その日、予定されていた収録時間は2時間。
先輩はそれを30分で片づけた。
要するに、私がスタジオに入れることを見越して、自分の持ち時間を切り上げるスピードで仕事をされたのだ。
先輩に指示されるまま、録音ブースに入る。
「声、出してみて!」
こんなときに、マヌケなのはマイクに対してあーあーしか言わない人間。
プロの場合は、即座に原稿読みに入るのだ。
・・・と見学の私に原稿があるはずもなく・・・・
と思っていたら、なんと!その先輩!
たった今しがた自分が読んだ原稿をそっくりそのままテーブルにおいている。
「そこにある私がやったソレ読んで!」
(ものまね王座決定戦で、本人が後ろから歌って出てくるときのコロッケの気持ち?!)
出す声は、見事に裏返った。
身体から滝のように汗が噴出す・・・。
※次は、番外編443。忘れた頃に出来上がる軌跡74にて続編です。
私は、先輩にこう切り出した…。
「得意ジャンルが分からないんです」
すると…
先輩「そもそも、この仕事好きなのかな?」
この言葉は、相当のショックだった。
「本当にすきなのね!」は活き活きやっている自分に対する最大の賛辞と感じていたから、その逆の言葉は、例えば自分の技術面はもとよりこれまでのことを全て否定されるくらいインパクトがあった。
そして、その日から私は、自分の過去を振り返り、「どうしてこの仕事を続けているのか?」「どうして、始めたのか?」「なぜショックだったのか?」を悶々と考え続けた。
なかなか答えが見つけられずにいたある日・・・
その当の先輩が、お誘いをくれた。
それも、自分のナレーション現場を見せてくれるという。
私は、京都に向かった。
その日の仕事は3本。
テキパキと要求どおりに終えていく先輩・・・。
私は、ただただ口をあんぐりと開けて、その技術に魅入るばかり。
驚くような速さで、一発仕上がりで仕事を終えた先輩が、「はい、スタジオに入って!」
もう何年も仕事をやってきて、見学は数度はあった。
でも、お金のかかったスタジオを、先輩の顔で入れていただき、マイクの前に座るということは実は無かった。
ところで、ナレーション制作には、大まかにいって次のようなお金がかかる。
1スタジオ使用料
2技術加工料(ディレクターや技術屋さんの人件費も含め)
3著作権使用料
4ナレーターの技術料
その中で、スタジオ使用料は、結構な金額であるし、ましてやそれに電気を通して操作をしてくださる人件費まで言うと、よほどの限り厚かましくタダで使うことは皆無である。
その日、予定されていた収録時間は2時間。
先輩はそれを30分で片づけた。
要するに、私がスタジオに入れることを見越して、自分の持ち時間を切り上げるスピードで仕事をされたのだ。
先輩に指示されるまま、録音ブースに入る。
「声、出してみて!」
こんなときに、マヌケなのはマイクに対してあーあーしか言わない人間。
プロの場合は、即座に原稿読みに入るのだ。
・・・と見学の私に原稿があるはずもなく・・・・
と思っていたら、なんと!その先輩!
たった今しがた自分が読んだ原稿をそっくりそのままテーブルにおいている。
「そこにある私がやったソレ読んで!」
(ものまね王座決定戦で、本人が後ろから歌って出てくるときのコロッケの気持ち?!)
出す声は、見事に裏返った。
身体から滝のように汗が噴出す・・・。
※次は、番外編443。忘れた頃に出来上がる軌跡74にて続編です。