番外編103~人に逢うこと

sammy

2006年08月17日 23:36

 この間11年ぶりに元上司にお会いした。
血気盛んだった私は、上司に理不尽なことは何でも訴えていた。
それを広く優しく受け止めてくださる方だった。

そんな関係を一変させるような出来事が、震災と私の転職

私は、久々にお会いしたときに、どうしてもお礼を申し上げたかった。
あのときの経験が無かったら、ひょっとしたらいまの仕事はなかった。

すると・・・
上司は、私に「あなたにお会いしたらどうしてもお礼を言いたかった」といった。
震災の時、上司の家は全壊。
なのに、来る日も来る日も職場に寝泊りし、激務をこなした。
私は、そんな上司に家で作ったおでんを詰めて、弁当を持っていった。

「火を通した食べ物を食べるのは、あなたのお弁当が震災後初めてだった・・・」

私は私で、神戸に通うのに交通網が寸断されて、その1ヶ月は交通費だけで軽く10万円はかかろうかという状態で、生活が貧窮していた。
上司は「あなたの交通費を銀行に行っておろす暇がないのよ」と言った。
上司だってそうに違いないのに、人の気持ちを思いやれる暖かい暖かい言葉に、涙が溢れた。

音信不通だったのに、ひょんなきっかけで、いま逢わされている!
「あのころは、若さ余って沢山のご迷惑をお掛けしましたが、とても遣り甲斐のある仕事に出会いました」

「夢を叶えたのね。元気で美しく働いているあなたが誇らしい」

つまらないからと、あの頃なん分と持たなかった上司と私の会話は、延々3時間続いた。
人に逢うことは、色々な心の整理と後押しになる。
有難うございました。

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