出来上がる軌跡vol:45~残されたもの

sammy

2006年07月29日 10:29

休憩後の演奏も無事終わった。(7/26vol:44参照)

耳を澄ます調律師の真剣なお姿・・・
アーティストの軽やかな指と声・・・
お客様の笑顔・・・

著作とCDは、飛ぶように売れた。

私は、会場の後片付けもそこそこに、アーティスト2人を食事やホテルへとご案内した。
夢中だった1年がかりの大イベントが終了した。
そう、「やりましょう!」と言ってから1年が経っていたのです。

さて、再び後片付けに後日訪れると、スタッフが私の影アナ(場内アナウンス)原稿を握っている。

「ただの場内アナウンスだと思っていたけれど、練習を沢山するんだね」
(実は師匠のところに駆け込んで、みっちり練習した朱書きが入っていて、それを忘れていった)

スタッフ全員から、アナウンス料です・・・とギャラを渡された。

このイベントは、全員がノーギャラで働いている。
私は全く頂くつもりがなく働いていた。

私「いただけません」

スタッフ「バカにしていた・・・といったら失礼な言い方になるかも知れないけれど、こんな数行にタレントさんは命を掛けるのね。そのことに驚いて、感動したんです」

そのギャラは、後日皆さんとの打ち上げのケーキ代にすることになった・・・

片付け忘れた原稿は本当に不細工なもの。
努力の跡は、ひっそりとしまっておくことが大事で・・・。

ちょっと頭を掻きながら、残された原稿を家で眺めて、ほっとしたのと疲れたのと嬉しかったので
ほろりとした。

会場アンケートには、「アーティストにお会いできて、感動で涙が出ました」とあった。
そして、また泣いた。

泣くなら、感動の涙がいいけれど・・・

次は、番外編67 です



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