出来上がる軌跡:vol70~ひと皮剥く
学生の
「ひと皮剥ける実感」(vol69参照)という言葉は衝撃だった。
最も渇望しているはずなのに、日頃の慣れた仕事に新鮮さを見つけようとしなくなる自分を見透かされたような感じがしたからだ。
そんな頃、同じ事務所のタレント仲間が朗読劇の舞台に立つという。
居ても立ってもいられない私は、同じ舞台に立たせていただくようお願いした。
そこからが問題!
朗読劇といっても、
舞台である。
私にとって生き恥をさらすようなものである。
わずかな演劇系舞台経験は、幼稚園・キリスト様を導
くお星様の役、自主公演の朗読ライブ(好きなことを出来る!)のみ。。。
舞台練習に入った。完全な恋愛劇。
通常恋愛でも、言ったことの無いようなセリフのオンパレード。
なおかつ、どーしてもいえない言葉があった。
あたたかい
大事なセリフなのに、
あったかいとしか言えない。
言葉に温度が無いからだし、自分が「言えている」と練習しなかった活舌の甘さ。
そう、
言葉は実感なのだ。
何でこんなことが分からないのだろう・・・
何で出来ないのだろう・・・
とうとう、「あたたかい」は一度も成功せずに本番を迎えた。
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